前章では、3つの「自我状態」についてご説明しました。
私たちは、人と交流するときに
「ペアレント」「アダルト」「チャイルド」のうちのどれか1つを自我状態にしています。
また、相手も同じようにこの3つのパターンのうちのいずれかで反応をしています。
このパターンが見えてくると、人とのコミュニケーションがより明確に見えてくることでしょう。
これを基にしたのが、
交流分析(トランザクショナル・アナリシス)と呼ばれる心理技術です。
交流分析は、
エリック・バーンによって体系化され、今も心理学の基礎的な分野として広く知られています。
この自我状態は、曖昧に混ざり合って現れることがなく、いつも1つが明確に現れるので、分析がしやすいのも特徴です。
例えば、ペアレントの自我状態の人は、つねに自分が相手よりも優位に立ち、相手からも立てられることを期待しています。
アダルトの自我状態の人は、いつも合理的に相手と対等のコミュニケーションをとり、明確な答えや利益を引き出すことを目指しています。
チャイルドの自我状態の人は、いつも相手に嫌われないように振る舞い、事実や合理性よりもその場を取り繕ったり、楽しく過ごすことを第一としています。
私たちは、つねにこのいずれかの自我状態を持ちながら、人とのさまざまなやりとりを行っているのです。
このコミュニケーションにはうまくいくパターンと、うまくいかないパターンがあります。
それが、
「相補的交流」や
「交差的交流」といわれるものです。
次の章では、この交流のパターンについて見ていきたいと思います。
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