前章までに、交流分析における自我状態について、そして交流のパターンについて触れてきました。
私たちの自我状態は、相手と接するときにスムーズにいくこともあれば、うまくかみ合わないこともあります。
「相補的交流」では、お互いの要求がスムーズに満たされ、交流がうまくいきます。
それは、次の3つの交流パターンのときです。
・アダルト ←→ アダルト
・ペアレント ←→ チャイルド
・チャイルド ←→ チャイルド
「アダルト」の自我状態の人は、同じ「アダルト」の相手との交流であれば、現実的な目標を合理的に達成することができます。
「ペアレント」の自我状態の人なら、「チャイルド」に対して権威的な態度をとることで、うまくバランスがとれます。
そして、「チャイルド」の自我状態の人も、「ペアレント」に保護されたりと、持ちつ持たれつの関係性を築くことができます。
この関係は、お互いの感情が満たされることが目的です。
「チャイルド」と「チャイルド」は、何気ない会話を楽しんだり、一緒に遊んだりと、相手との親密感を高めるためにうまくいく自我状態になります。
逆に、こちらの
「交差的交流」パターンでは、すれちがいが起こります。
・チャイルド ←→ アダルト
・ペアレント ←→ アダルト
・ペアレント ←→ ペアレント
一方が「チャイルド」として感情的な表現をし、相手にも同調してもらうことを求めていたり、「ペアレント」として優位に立とうとしているときに、「アダルト」の合理的で冷静な対応が返ってくると、そこにはかみ合わない空気が流れてしまいます。
「アダルト」の場合、合理的に利益を得ることが目的なので、一時的に「チャイルド」「ペアレント」を演じることで、その目的を達しようとすることもあります。
これも、「アダルト」の冷静で合理的な面といえるでしょう。
また、「ペアレント」同士では権力闘争に発展しがちで、どちらも折れないという状況になりがちです。
私たちは普段、あらゆる場面で人間関係を経験していますが、このように3つの自我状態を心得ておけば、意外とシンプルに分析し、日常に応用することが可能になるのです。
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